2011-01-01から1年間の記事一覧

気になる書評13

思い出の食事や忘れられない味。確かに、食は人生の様々なシーンの記憶と重なっている。●あつあつを召し上がれ [著]小川糸人生の曲がり角に、食の情景 孤食や欠食が話題になる世の中だ。誰とも言葉を交わさず、目はテレビ画面に向けたまま、そそくさとコンビ…

気になる書評12

我が家の愛犬は、女王陛下と同じウェルシュ・コーギー。犬好きとしては、タイトルだけ見ても、読まないわけにはいかない一冊。●それでもイギリス人は犬が好き?女王陛下からならず者まで [著]飯田操■残虐な娯楽の反動で動物愛護 非常にユニークな「犬の本」だ…

気になる書評11

犬と一緒に暮らす者としては、物語に犬が登場するというだけで惹かれてしまうのです。かくして、この一冊も。●エドガー・ソーテル物語 [著]デイヴィッド・ロブレスキー 金原瑞人訳、NHK出版■五感動員し味わう小説の醍醐味 アメリカ中西部を舞台とした少年…

気になる書評10

上方落語かー。うーん、名人の話芸、じっくり聴いてみたいな。●随筆 上方落語の四天王?松鶴・米朝・文枝・春団治 [著]戸田学戦後、消滅寸前だった上方落語の世界に入り、現在の隆盛を築いた<四天王>。色合いと芸風の異なる4人を聴き続けてきた著者は、具…

気になる書評9

健康で長生きならいいけれど…。●延命医療と臨床現場?人工呼吸器と胃ろうの医療倫理学 [著]会田薫子■患者の幸せと家族の想い 「胃ろう」をご存じだろうか。自力では食事がとれない患者の腹部に、胃に通ずる穴を開け、そこからチューブで水分や栄養を流し込む…

気になる書評8

以前、私の会社から江戸時代長崎の出島で日本人通訳として活躍していた祖先に関する本を自費出版された方がいましたが、歴史的にもとても面白いお話だったのを覚えています。 以下の本も、出島のオランダ人と日本人をめぐる交流が興味深い一冊。●阿蘭陀が通…

気になる書評7

食欲の秋到来。いつも口にしている身近な食物のルーツの話、面白そうです。●文明を変えた植物たち?コロンブスが遺した種子 [著]酒井伸雄■身近な物たちの偉大な「素顔」 「文明を変えた植物たち」とあって、開けば、ジャガイモから、ゴム、チョコレート、トウ…

気になる書評6

電子書籍は手軽だけれど、やっぱり紙の本には魅力があるよね。外見はやっぱり大事、だと思う。●本棚探偵の生還 [著]喜国雅彦 ■収集欲をそそる美麗な造本 1、古書店が夢に出て来る。2、本棚の配列には一家言ある。3、本は見て、触って楽しむ。4、とくにミ…

気になる書評5

推理小説は面白いけれど、現実は小説よりもっと面白ろそう!FBI美術捜査官?奪われた名画を追え [著]ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン■大芝居打ち、逮捕より作品奪還 これが映画や小説ではない現実に起きた話だけに面白い。現実も捨てたもの…

気になる書評4

チーズ好きとしては、とても気になる一冊。食欲の秋を前に書店へGO!●チーズの歴史?5000年の味わい豊かな物語 [著]アンドリュー・ドルビーヨーロッパ文化を凝縮した味 良いチーズとは、〈アルゴスでなくヘレネでなくマグダラのマリアでなく、ラザロとマ…

気になる書評3

もともと推理小説は大好きだけど、セミが鳴く季節になると、なぜか無性に推理小説が読みたくなるのです。しかも、長編の読み応えのありそうな作品が。ということで、今週も気になる書評を2つご紹介。●絆回廊?新宿鮫(ざめ)X [著]大沢在昌■終局へ、感情の起…

気になる書評2

今はやっぱり原発に関する本に目がいきます。 今回の気になる書評はこれ。 「フクシマ」論ー原子力ムラはなぜ生まれたのか [著]開沼博■能動的に原発を「抱擁」した歴史 福島は、どのようにして「原子力ムラ」となり「フクシマ」となったか。その主題を「中央…

気になる書評1  「津波と原発」

3.11から今日で4ケ月。この国の復興と進むべき道は? 「津波と原発」(佐野眞一著)というタイトルが目をひきました。以下、朝日新聞の書評です。■胸に食い込む被害者たちの肉声 ニュース一段落して関連本並ぶ??大事件後の常であるが、東日本大震災もまたそ…