平凡な日常の幸せ

久しぶりに舞台を観に行きました。実は、私の妹、女優です。超売れっ子なわけではないけれど、テレビの2時間サスペンスなんかにもちょくちょく顔を出してます。その妹の出演する舞台で、ジェームス三木脚本・演出の「池袋わが町」という作品です。昭和27年、池袋に暮らす二つの家族の日常のストーリーで、寺田農をはじめ、舞台やテレビで活躍するベテラン俳優が出演することもあって、楽しみにしてました。
最近は、音楽にしても、映画や演劇にしても、めっきり劇場やホールに足を運ぶことが少なくなってしまったけれど、久々に舞台を観て「やっぱりライブはいいなぁ!」って実感。最近の流すような軽い芝居じゃなくて、演劇らしい演劇という感じで、役者さんたちの演技もしっかりしていて、すごく見応えがありました。特に、寺田農はウマい!のひとこと。観客をぐいぐい引込みます。身びいきかもしれないけど、もちろん妹の演技もばっちり決まってました。
戦後の池袋で暮らすごく普通の家族の日常を通して、「平凡な暮らしの中にこそ人生の本当の意味がある」というメッセージが語られるこの作品。自分の周りにある当たり前の町の風景や身近にいる人たちが、いかにかけがえのないものであるかということを気づかせてくれます。観終わった後、ありふれた毎日を過ごす幸せを感じ、心がほんわり暖かくなりました。

今回は、たった3日間の公演だけだったけど、また再演される機会があったら、ぜひたくさんの人に観てほしいお勧めの作品です。